ウサギさんと10年以上一緒に暮らしているみみたろです
ウサギさんは小学校などで飼育されているため初心者さんでも育てやすい動物だと思われている方もいますが、わたしはペット初心者さんには少し難しい生き物かなと思います
なぜかというと、体調不良になっているときに様子見をしてしまうと命に関わってしまう可能性のあることが多いからです
今回はウサギを飼育すると耳にすることの多い胃腸うっ滞についてのお話をしたいと思います
- 胃腸うっ滞とはどういうものなのか
- 原因と胃腸うっ滞を予防するためにできること
- もし胃腸うっ滞になったとき早急に動物病院に受診してほしい理由
胃腸うっ滞(毛球症)とは胃腸の動きが悪くなってしまうこと
そもそも胃腸うっ滞とは、別名「毛球症」とも呼ばれます(ここでは胃腸うっ滞と呼称します)
胃腸うっ滞とは胃や腸などの消化官で、食べたものやフンを正常に排出することができない状態になっていることです(消化管の動きが低下した状態)
便秘をしているというのを想像してくれると分かりやすいかもしれないですね
ちなみにウサギは日頃からキレイ好きなので、毛づくろいをするため胃にはある程度の毛が含みますが正常であればしっかりと排泄されます
しかし消化管のどこかの動きが低下してしまうと、毛が排出できなくなってしまい胃腸うっ滞になってしまいます
また飼い主が胃腸うっ滞に気付くころには危ない状態になってしまっていることも少なくはないので、普段のコミニケションでもお腹を触る習慣を取り入れると良いですね
胃腸うっ滞をおこしてしまう原因
胃腸うっ滞をおこしてしまう原因は大きく4つあり、おやつの与えすぎや繊維質不足、水分不足、ストレスを感じてる、毛を必要以上に飲み込んでしまったなどがあげられます
特に日常的に食べている牧草やペレットなどの食事は大切で、ウサギさんのためのごはんの選び方でウサギさんの体調につながる可能性もあります
また換毛期や偽妊娠のときには、普段よりも口に毛が入ってしまうことが原因で胃腸うっ滞をおこしてしまう原因になってしまうこともあるので注意しましょう
- 普段の食事の繊維質が不足している(おやつの与えすぎ)
- 水分不足になっている
- ウサギがストレスを感じたり、運動不足になったりした
- ウサギが自身の毛を必要以上に飲み込んでしまった
普段のごはんに繊維質が不足している
胃腸うっ滞をおこしてしまう原因の1つ目は、ペレットや牧草から摂取している繊維質が不足しているからです
特に繊維質不足になってしまう原因としては、ウサギさんがおやつをおねだりしているときに甘いものを与えすぎていることもあげられます
人間の子供でも、おやつの食べすぎでご飯を食べてくれないことがあるというのを想像してくれるとわかりやすいかなと思います
胃腸を活発に動かすためにも、繊維質の高い食べ物を与えることがウサギさんを元気に過ごさせてあげることにつながります
水分補給が足りず水分不足になっている
胃腸うっ滞をおこしてしまう原因の2つ目は、ウサギさんに対して水分が足りていないからです
これは人間で想像してみてほしいのですが、水分不足になっているときって便が硬くなってしまって便秘になることありませんか?
これはウサギさんも同じで、消化管内の便が硬くなってしまい便通が悪くなってしまう可能性があるのです
便通が悪くなってしまうということは、胃や腸に口から入ってしまった毛が排出されずに胃腸うっ滞になってしまう原因になってしまいます
ウサギ自身がストレスを感じた・運動不足だった
胃腸うっ滞をおこしてしまう原因の3つ目は、ウサギ自身がストレスを感じたり運動不足だったりするときです
ここで伝えたいストレスというのは雷や花火などの大きな音だったり、急に夏日になって温度変化によるストレスを感じたりするようなことです
また来客者が多くて賑やかな音などもウサギはあまり好きではないようです
温度変化に関しては、エアコンで空調を整えてあげると良いですね
ウサギさんがストレスを感じるタイミングや症状について詳しく知りたい方は下記の記事を確認してみてください
ウサギ自身の毛を大量に飲み込んでしまった
胃腸うっ滞をおこしてしまう原因の4つ目は、ウサギ自身の毛を大量に飲み込んでしまったときです
ウサギさんが大量の毛を飲み込んでしまうタイミングは、夏毛や冬毛に生え変わる換毛期のとき、妊娠または偽妊娠をして巣作り行動をするときがあげられます
ウサギさんはキレイ好きなので日頃から毛づくろいを毎日のようにおこないますが、この程度の毛の飲み込みの場合は健康なウサギさんならしっかりとフンとして排出されます
しかし抜け毛の量が増えてしまうと排出できる量よりも、口から入ってしまう毛の量のほうが多くなってしまうので胃腸うっ滞の原因になってしまいます
胃腸うっ滞をおこすとどのような症状がでるの?
胃腸うっ滞になってしまったかなと飼い主が感じるときには、症状が命に関わる可能性もあります
そのため胃腸うっ滞になってしまったときの症状をしっかりと覚えておいて、気になることがあったときには迷わずに動物病院に受診できるようにしましょう
胃腸うっ滞になってしまったときにおこす症状は大きく3つあり、コロコロうんちの形状がいつもと違う、食欲不振や水を飲まない、お腹がガスで張っているなどです
ウサギさんは24時間食欲不振が続いているのはとても危険な状態なので、日頃からウサギさんがどのくらいの量の食事をしているのか確認をすることはとても大切です
- コロコロうんちがいつもと違う形状をしている
- ペレットや牧草の食欲不振(食べない)、水を飲まない
- お腹がガスで張ってしまう
フンがいつもと違う形状をしている
胃腸うっ滞をおこしてしまったときの症状1つ目は、ウサギのフンがいつもと違う形状になることです
ウサギさんのウンチは通常、コロコロの丸いウンチが一定のサイズで生成されます。ウサギ飼いのなかではタピオカ製造機とも言われていることもありますね
しかし胃腸うっ滞になってしまうと胃腸の動きが低下してしまうので、コロコロのウンチのサイズが小ぶりになってしまったり、ウンチが毛で3つほど繋がって排出されたりします
ごはんを食べない・水を飲まない
胃腸うっ滞をおこしてしまったときの症状2つ目は、ごはんや水を食べたり飲まなくなったりしまうことです
なぜペレットや牧草を食べなくなるのかというと、お腹にガスが溜まってしまいお腹が痛いから食事をしなくなってしまいます
ウサギは24時間以上食事をしていないときはとても危険な状態なので、食欲不振に気付いたときには緊急事態だと認識してかかりつけの動物病院に連れていきましょう
お腹がガスで張ってしまう
胃腸うっ滞をおこしてしまったときの症状3つ目は、お腹のなかでガスが溜まり張ってしまうことです
このガスがお腹の痛みの原因の1つなのですが、なぜガスが胃腸うっ滞になると溜まってしまうのかという理由を説明したいと思います
ウサギはもともと牧草が主食でペレットはサブで食べさせるという考え方なのですが、牧草を食べる量が不足してしまうと胃腸のpHが変化してしまいます
牧草(繊維質)が不足してしまうとガスが発生しやすい細菌が増殖しやすい環境になってしまい、お腹が痛くなってしまうことから食欲不振につながるのです
胃腸うっ滞を予防するのに飼い主ができること
胃腸うっ滞になってしまったあとで後悔するよりも前に、できることなら飼い主さんが生活習慣を気を付けてあげて予防してあげられると嬉しいですよね
そこでウサギさんのために胃腸うっ滞を予防して生活する生活習慣としておすすめしたいことを3つ紹介したいと思います
- できる限り繊維質なペレットを与え、主食には牧草を与える
- ストレスを与えるようなことをできる限り避ける
- 定期的にブラッシングをして抜け毛を減らしてあげる
普段から繊維質多めのペレットと牧草を多く食べさせる
日頃から胃腸うっ滞の予防のために飼い主ができることの1つ目は、日頃から食事を繊維質多めなペレットと主食に牧草を与えてあげることです
ウサギに牧草は好きなだけ食べてもらうという食事スタイルは基本なのですが、ペレットを与えすぎていると牧草をあまり食べなくなるウサギさんも多いです
またペレット選びもとても重要で、繊維質が何パーセントになっているか確認しながら選んであげましょう
ウサギさんの健康を考えたペレットや牧草の選び方を詳しく知りたい方は下記の記事を確認してみてくださいね
ストレスを感じることを軽減させてあげる
日頃から胃腸うっ滞の予防のために飼い主ができることの2つ目は、日頃からストレスを軽減して生活をさせてあげることです
ウサギさんは急に大きな音がしたり、急激な温度変化にとてもストレスを感じてしまいます
例えば台風などで大きな雷の音やお祭りで花火の音がしたり、夏などは急に最高気温が上がったりしてしまいますね
こういう変化がウサギさんには苦手なので、部屋の扉を閉じてタオルをかけてあげたり、温度が急に変化する前に空調を整えたりしてあげることが大切です
定期的にブラッシングをしてあげる
日頃から胃腸うっ滞の予防のために飼い主ができることの3つ目は、定期的にブラッシングをしてあげることです
ウサギさんはキレイ好きなので、毎日のように毛づくろいをしているのでとてもキレイです
しかし抜け毛は舌でペロペロしながら毛づくろいをするので口の中に入ってしまうんですよね
特に夏毛や冬毛に生え変わる換毛期は毎日ブラッシングを少しずつでも良いのでしてあげてほしいなと思います
日頃から定期的にブラッシングをしてあげることで、換毛期のときに焦らずにブラッシングをしてあげることができますよ
メスのウサギさんなら避妊手術を検討する
また口元にウサギさんが毛を含んでしまう原因は毛づくろい以外に、妊娠または偽妊娠をしたときにおこる巣作り行動のときにも発生します
そのため一緒に暮らしているウサギさんがメスである場合は、胃腸うっ滞予防はもちろんですがメス特有の子宮関係などの病気の予防のためにも避妊手術を検討することをおすすめします
偽妊娠のときの巣作り行動がどういうものなのか知りたい方はこちらの記事を確認してみてください
胃腸うっ滞になってしまったときはすぐに動物病院に受診する
胃腸うっ滞の症状を覚えておくことで、ウサギさんの体調不良を疑った時点で動物病院に連れて行くことができますね
ウサギさんは24時間以上食欲不振になっていると、とても危険な状態なので消化管の不調は気になったらすぐにでも動物病院にいくことをおすすめします
なぜかというと、様子見をしてしまったことで助からなくなってしまう可能性もあるからです
動物病院によっては夜間もやっている可能性もあるので、かかりつけ医に電話で相談してみることも試してみる価値はあるでしょう
胃腸うっ滞についてのまとめ
この記事では、ウサギ飼いなら聞くことの多い症状である胃腸うっ滞についてお話しました
もしも胃腸うっ滞の疑いをあなたのウサギさんに少しでも感じることがあったら、早めにかかりつけ医に相談しに行くことをおすすめします
また胃腸うっ滞を予防するためにも、ひごろから繊維質が多い食事を心がけて水分補給を大切にしてあげることも大切です
- 胃腸うっ滞とは毛が胃や腸に溜まってしまうこと
- 原因は繊維質や水分が不足している可能性がある
- 胃腸うっ滞予防のために生活習慣を整えてあげよう
胃腸うっ滞とは胃腸の動きが悪くなってしまっている状態のこと
胃腸うっ滞とは、胃腸の動きが悪くなってしまって毛や食べものなどが胃腸のなかで溜まってしまいウンチがでにくい状態になっていることです
また繊維質を摂取する量が少ないとガスが貯まりやすくなる細菌が増えてしまうので、お腹が痛くなってしまいさらに食べる量が低下してしまいます
胃腸の動きが悪くなるとウンチに毛が絡んでつながっていたり、ウンチの大きさにバラつきが出て小さくなったりします
日頃からお世話をしていて少しでも気になったことがあったら、かならずかかりつけ医に相談しに受診をしましょう
原因は牧草などの繊維質の不足や水分不足
ウサギさんの胃腸は基本的に繊維質なものを食べると活発に動く特徴があるのですが、繊維質が不足してしまうと胃腸の動きが悪くなってしまいます
ペレットの与える量やおやつが多すぎると牧草を食べる量が不足してしまうので、しっかりと計って与えることが大切です
またウサギさんの体重が1キロに対して1日60mlの水分を必要としているので、あなたのウサギさんは1日あたりどのくらいの水分が必要なのか把握してしっかり飲んでいるか確認してあげましょう
胃腸うっ滞を予防するために生活習慣を整えよう
胃腸うっ滞を予防するために飼い主さんが日頃からできることは、生活習慣を整えてあげることです
ウサギの主食には基本的に牧草を好きなだけ食べられる状態にすることを大切にして、ペレットは体型維持をしたい体重の1%程度にしましょう
またおやつをあげるときのウサギさんはとても可愛いので与えたくなる気持ちはわかりますが、たくさん与えたりしないように注意しましょう
また換毛期には特にブラッシングをしてあげることは重要で、ウサギはウンチと一緒に口に入った抜け毛を排出することはできますが量が多いと排出しきれなくなってしまう可能性があります
定期的にブラッシングをしてブラシに日頃から慣れさせてあげましょう